不妊治療の保険適用、拙速過ぎないか?

不妊治療の保険適用。もう大詰に入ってる頃なんだろうけど、体外受精への適用はどんな仕組みになるのだろう。噂されてるいわゆる「まるめ」型なのか、それとも細かい項目に分ける形になるのか。
過去30数年をかけて、恐らくどの施設でも多少の差はあれ、現行の料金体を確立してきたものと考えられる。すなわち採卵、精子調整、媒精、顕微受精、胚培養、胚移植などの各手技毎、そして採卵個数の加算や顕微受精個数の加算など(参考までに当院の場合を図解)。採卵個数が少ない方と多い方で同じ料金となるのは不公平感が大きく、この差を埋めるために採卵個数加算料や顕微受精個数加算を設けている。保険適用にあたってもこの考え方が配慮されるべきであって、1個の採卵の方、1個の顕微受精の方と20個採卵の方、20個顕微受精の方、1個凍結の方、10個凍結の方が同じ料金では不公平感は拭えない。この視点からも「体外受精」「顕微受精」「胚凍結」と一括りでの料金とならず、個数加算という考え方を取り入れることを願うばかりなのだが。
また、採卵個数が少ない(1〜3個くらい)の方の場合(特に受精確認時にしか卵の成熟がわからない体外受精の場合)は全て未熟卵で未受精ということがあり、当院ではこの際に返金しているが保険適用になった場合はこの返金は不可ということになり、どういう対応を考えているのだろうか。
更に、回数制限を設けた場合、途中で患者が病院、クリニックを替えて転院した場合、この回数を正確にチェックする術は無い。数ヶ月後に保険者から差し戻されても後の祭りで回数制限を越えた分はクリニックが丸被りしてしまうことになってしまう。
こんな細かいところまでちゃんと考えてくれてるんだろうねぇ。心配。