【重要:必ず閲覧ください】薬剤不足による治療方針の変更について
不妊治療に必要な薬剤の不足に伴う治療方針の変更について
2023年1月に入り、薬剤製造販売会社1社(持田製薬株式会社)から排卵惹起、卵の最終成熟に使用するHCG製剤について5月で製造中止の連絡がありました。また、ほぼ同時期にもう1社(メルクバイオファーマ株式会社)から同種の自己注射薬剤オビドレルの製造販売承認書の記載に不備があるとの理由で国内出荷中止となり、恐らく1年間は供給されない状況が発生しております。これに伴い他社同種製品につきましても出荷制限がかかっている状況です。いずれも生殖補助医療において必須の薬剤であり、今後供給が不足する事態も予見されます。このため当院では不妊治療における方針を以下のように一時的に変更させていただくこととしました。ご不便をおかけいたしますがご理解のほどよろしくお願いいたします。
①タイミング療法、AIH(人工授精)における排卵誘発に関しましては今まではクロミッドを主に使用していましたが、クロミッドには排卵を惹起するLHを抑制する働きがあるためHCG投与が必須であり、このHCG投与を控えるためにLH抑制作用の無いフェマーラ、レトロゾールを主に使用することとします。ただ、タイミング療法の段階で治療計画を未だ立てていない場合には処方できませんので完全自然周期か一旦ご夫婦で治療計画へお越しいただいてからの処方になります。
②HCG投与に関しましては、生殖補助医療に限定して使用することとします。自己注射専用のオビドレルにつきましては在庫が切れた時点で薬剤の供給が無くなりますので、その後はアンプル製剤のHCGを自己注射(皮下注)投与していただくか当院での筋注にお越しいただくかになります。
上記変更に関しましては薬剤の供給が回復次第、元に戻す予定ですが、今のところ見通しは立っておりません。ご迷惑をおかけいたしますがご理解ご了承のほどよろしくお願いいたします。